はがねのたんがん

ポケモンについてだったり、そうじゃなかったり Twitter:@tenten97996176

CHILLTB

どうも。tentenです。

今回はいわゆるLTB、ロストツールボックスと呼ばれるデッキの供養記事です。

ロストアビスが出てから就活から逃避するために真面目に考察を重ね、結論に至った!と勝手に思っていたのですが、対策がバレてきたのとどうしても現状の構築では解決しがたい欠点にぶち当たってしまったので一旦お休みすることにしました。

とはいえ全然弱いデッキではないです。というか勝率だけなら自分が今まで作ったデッキの中でもダンチで高いですし、「欠点」と言ってもマッチ運、または上振れで十分解決できるレベルです。

何よりアーキタイプ自体かなり好みだったものをさらに俺の癖に忠実に組んだ結果、今回の構築は世間に出回っている構築以上に「安定性」「再現性」「わかりやすさ」に特化した構築に仕上がりました。カビリザ型のLTBに興味がある方は是非組んでみてほしいです。

 

 

 

カビリザ型LTBの基本プラン

最初に結論を言ってしまうと、このデッキは基本的にほぼ全ての対面で理想的なサイドの進め方が同じです。

相手サイド6枚の時:キュワワーで展開

5枚:ウッウで攻撃

4枚:ウッウで攻撃、またはミラゲからカビゴンで攻撃

3枚:ヤミラミで相手のシステムポケモンを落としつつツツジ

2・1枚:リザやヤミラミでサイドを取り切る

 

勿論こちらが上振れて後手1でウッウが殴れる場合や、相手が下振れてアタッカーを変えずに済んだ場合等、プランの前倒し、または後倒しが起こる場合もありますが、通常通り回った場合、ほとんど全ての対面でこのプランがベストです。

というのも、各アタッカーの強みを最大限活かそうとすると必然的にこのサイドプランにならざるを得ないためです。したがってまずはこのプラン通りにデッキを回せるよう練習・構築するとよいでしょう。

プランを事前に固定してしまう、というのは柔軟性を欠く、視野を狭くするといった欠点もある一方、プレイ中に考えることを減らすことができるため、リソースやサイドの管理に逐一意識を割く必要のあるこのデッキとは相性が良い(?)です。

また、もう一つこのデッキ特有の利点があります。他の様々なデッキと異なり、このデッキはエネルギー、サイドのテンポに加えてロストゾーンのカードの枚数を調整していく必要があります。したがって各サイドごとに使いたいアタッカーを定めておくことで結果的に「このターン中にロストゾーンを肥やすべきか・肥やさないべきか」の判断がしやすくなり、「このターンはアクロマを探しに行かなくてよいか」とか「強引に花選びを打つべきか」とか「キュワワーを2枚以上出すべきか」とかを考えやすくなるのです。

 

プランに即してより詳しく説明します。

まず2体目のアタッカーはウッウですから、サイドを1枚取られるまでに2回の花選びと1回のアクロマが必要です。

その次はカビゴンなので、ウッウを倒された後のターンには「ミラージュゲートを打ちながらキュワワーを逃がせる」ような盤面が理想です。すなわち「ロスト7枚+キュワワーの逃げ札+ミラージュゲートへのアクセス+手張り+山札に両色のエネルギーが残っていること」が要求されます。(←まあまあ無理なのでアクロマで五枚見て無理そうならウッウを使いつつ盤面形成するターンにしましょう)

そのまた次のターンにはヤミラミで技を打ちながらアクロマではなくツツジを打ちたいことを考えると、逆算してここまでにおおよそ3回はアクロマを打ちたい、ということになります。

 

勿論そんな理想的に回ることの方が少ないので(特にカビゴンの要求値は結構バカ)、相手のアタッカーに合わせてポケモンを使い分けることでサイド有利を取っていく、というのがこのデッキの基本方針ではあるのですが、LTB、特にロストギミック初心者の場合は、このへんのパワースパイクの理解から始めてもらえればと思います。ご検討ください。

 

各アタッカーの解説

とりあえず自分の構築でアタッカーとして入っているウッウカビリザヤミラミそれぞれの特徴、仮想敵に関して解説します。

 

1.ウッウ

ウッウ

おそらくロストバレットで最も多く使うであろうアタッカーです。0エネ110のコスパは異常かつ、ロスト4枚もアクロマ+2花または2アクロマで早々に達成可能なので、最序盤のアタッカー、中継ぎ、さらには妨害を受けた際の最低限の動きとして活躍します。

手貼りの権利が余ることも重要で、序盤はキュワワーの逃げエネ確保、中盤はカビゴンに事前に手貼りして少しでも要求を下げることに貢献してくれます。その都合上キャプチャーエネルギーと極めて相性がよいです。

殴りの速さと軽さが強みなので、「仮想敵」という仮想敵はいません。HP110以下の小物は勿論、Vstar、Vmaxを後続の重量アタッカーの圏内に入れる役割もあります。強いて言うなら他のアタッカーで殴る意味がないポケモンは全員こいつで殴ります。

できれば殴りたくない相手としては輝くゲコ、ヤレユータンカビゴン、インテレオン等のHP120以上の非エクです。回収されてしまうと打点が無駄になってしまうので。レジ相手の場合は回収ネットを消費させることが勝ち筋になりうるので一概には言い切れませんが、まぁ基本デカめの非エクは「なんもしないより殴る方がマシ」くらいに捉えておいた方がいいです。このへんが相手のベンチにいる時はあなぬけのヒモより回収ネットを使いましょう。

あとこいつの技は「弱点計算をしない」ので、間違えて輝くリザを殴らないようにしましょう。まさかそんなことする奴いるわけないですよね(一敗)

 

2.カビゴン

カビゴン

かなり要求が高い!ということをここまで再三言ってはきたのですが、それはそれとして偉い点がいくつもあるので採用されています。いつ使ってもある程度の強さが担保されてるウッウと異なり、こいつはメタカードとしての側面が強いので、いくつか仮想敵を挙げながら説明していきます。

・ウッウ、インテレオン等の中打点非エク

一番有利な相手です。相手の攻撃を一発耐えながらこちら側からはワンパンすることができます。この辺相手には積極的にこいつで対応しにいくことを推奨します。

ただし、この時は同時に逃げ札を確保しておくことが望ましいです。カビゴン以外が殴られた場合はねむりも解除されるため問題ないのですが、そのままカビゴンが中打点で殴られた場合はサイドこそ取られないものの、ねむりから覚めなかった場合折角得た1ターンを無駄にしてしまうことになります。ご注意ください。ハンド干渉を受けた時は祈りましょう。

ロストミラーの際は、相手のカビゴンにはウッウではなく必ずカビゴンで対応しましょう。ちなみに自分の方が先行している場合はあんまり気にせずビートしてて大丈夫です。非エクミラーは止まらないことの方が重要なので。

ポケモンVstar

多くのVstarはHP280なので、カビゴンで殴ることに成功すると、ウッウの110やヤミラミと合わせて2パンで突破できます。これに関してはこのプランを通すことが勝ち筋なので頑張って通してください。チェレンは………

エンペルトV、クワガノンV

ロック系アーキタイプ上かなり苦手ですが、らせんぎりは1耐え、パラボは2耐えできるのに加え、ベルトがあればワンパンも狙えます。そうでなくても後々ヤミラミで回収できるので、相手がこいつらを育てはじめたらカビゴンに手貼りしましょう。打点が低いので意外と間に合うことが多いです。

クロバットV、ネオラントV

ワンパンはできますがカビゴンを起動しつつボスも打てる、というケースはかなり稀です。狙いすぎて無理に花選びしてプランが崩壊することのないようにしましょう。そのくらいの余裕がある時はこいつらに関してはヤミラミで狙うのがオススメです。(勿論カビゴンによる処理を狙わないと間に合わないこともあります)

 

3.かがやくリザードン

他のアタッカーに比べるとこいつの役割は「V、Vstar、Vmaxの処理」と極めて単純です。

「相手サイド4枚以下ならミラゲから起動圏内、相手サイド2枚以下なら手貼りのみでOK」なのですが、基本的には相手サイドが2枚以下の時のみ使用することになります。この理由は、①要求が高いから②大体ツツジを打ってて揃わないから③ミラゲ使用ターンの次ターンに連続で使用することが非現実的だから の大体三つです。したがってこれらをクリアできる、またはそれ以上のリターンがある(リザによる処理に成功すれば相手盤面からアタッカーが消える場合・スタークロノスを防ぐことができる場合等)ときは相手サイドが3以上のときも使います。

 

4.ヤミラミ

ヤミラミ

一番難しいやつが来ました。こいつの用途は一言で言ってしまえば打点調整+狙撃です。なので仮想敵はこいつです!と言いきるのが難しいです。一応並べてはみますが、基本的には相手の盤面をよく見て撒いてください。

・システムポケモン

ビーダル、裏工作、キュワワーなどのポケモンを倒しながらツツジを打つことでロックを決めやすくします。このデッキで一番太い勝ち筋であり、ギラティナ相手に高い勝率を保てる最大の理由です。基本的にはこのルートを通せるように、ツツジターンまでにロストを10枚貯めることを自分のデッキは目標として設定しています。

・メッソン、尻尾ミュウ等HP60族

基本的に他のHP調整を行いつつついでに食う、というスタンスですが、やまびこホーンと合わせる等してサイドの2枚取りを狙うこともあります。この動きは相手の進化や回収などで崩れがちなので狙えそうなら1ターン中に強引に決めたいところ。サイドが奇数進行か偶数進行かによってバリューが前後するので、裏工作対面では常に狙いにいくかどうかを考えながらプレイするとよいです。

・Vstar族 

前述のようにカビゴンの打点に合わせるパターンに加え、こいつで事前に30撒いておくとリザにベルトを巻く必要がなくなりやや楽になります。基本ジメレオンを倒しつつ30撒くケースが多いです。なお相手盤面にアルセウスが一体だけの場合、チェレンで回収されて盤面からVが消え、捲れなくなることがあります。ケアできそうならケアしましょう。

・コオリッポ、そらをとぶピカチュウ

効果なのでたねロックを貫通できます。そらピカ相手の場合ヤミラミで3回殴るのはあまり効率がよくないので、ホーン紐ボスを活用していいかんじにしてください。(元々ガン不利)

・かがやくゲッコウガ

ずっと盤面にいがちなポケモンなので、1点乗せてロストマイン圏内に入れたり、2点乗せておとぼけスピット圏内に入れておくとたまに役立ちます。が、例によって回収を食らうことがかなりあるので、基本は他優先です。

クロバットネオラント

6点(5点)撒いておいてボスを打つことなく処理できるようにしておくのが詰めとして有効です。クロバットに関しては出す相手は複数出しがちなんで2体に6・6で置くことが多いです。ネオラントに関してはキュワワーを巻き込んだり、余りをゲコに乗せたり、320Vmaxに7点乗せて火炎爆圏内に入れたりします。

こいつもアクアリターンされる裏目が一応ありますが、回収ネット一枚に比べると要求高めなので間に合うことが多いです(体感)。ついてるエネや見えてる加速手段の数次第では他のポケモンを優先しましょう。

 

レシピ

喋りたいやつだけ解説します

チルタリス

この構築のコンセプトカード。「序盤からアクロマを三回連続で打つ」という課題に対する回答。「確実性」「サーチしやすさ」の点でポケギアに勝り、「一枚目を拾う性能」「対応ボールの多さ」の点でジュペッタに勝り、「二枚目以降を拾う性能」「サイド1枚」という点でネオラントVに勝る(と思う)。余裕が出てくるとトップにサポを固定したまま番を返すことでマリィがケアできるのもかなり助かる。チルットのHPがクッソ低くてロストマインの的になること以外完璧。サーチ札を用いる場合は順番に気を付けること。(特にキャプチャーエネはベンチ枚数次第で山を切るかどうかが変わる)

ヤレユータン

偉カード。チルタリスとのシナジーもさることながら、このデッキにおける猿知恵はきわめて用途が多い。各ターンごとに意味を考えながら打ちましょう。

・いざなうしらべでトップに乗せたサポを回収する

・手札の不要札をトップに乗せることで花選びから山のカードを守る

アクロマチルタリスをトップに置くことでマリィをケアする

・手札に来てしまったミラゲ用のエネルギーを山へ返す 等

カビゴン(くいだめ)

エンジンとして進化ポケモンであるチルタリスを採用したため、後手1の上振れを狙うのではなく先行を取って無難に展開することの価値が上昇し、結果相手の後手1おとぼけスピットに対する回答兼事故回避札として採用されたカード。裏にヤレユータンも置いて紐までケアすることが理想。

・レベルボール

そもそも非エクデッキにおいてはアタッカーを呼ぶ札の枚数は多い方がよいのだが、チルタリス採用によってバリューが爆上がりした。とはいえチルタリス不採用だったとしてもVIPは採用しないと思う。

・ロストスイーパー

基本的にはお守りや雪道を破壊してリザを通すための札。リザで捲るデッキなら採用し得のカードだと思う。ツツジお祈りや縛ってロストマインをする際トレコを割るためにも使う。

・やまびこホーン

ロストマインの的を呼び出す他にも、空ピカやヌメルゴンなどの単構築盤面を破壊したり、Vを呼び出して疑似的なベルトのように使ったりと用途は多い。もっと増やしてもいいがこのデッキにおけるヤミラミはアタッカーの一体であってコンセプトとまではいかないので一枚のみ採用。

・クララ

チルタリスさえいればヤミラミ・リザを復帰させられる札。竿・クララに関しては大体リザを回収するために一枚、ミラゲを使うために一枚使うので、花選びで落ちることも考え合計三枚採用したい。このクララに関しては正直チルタリスとのシナジーで採用したカードなので、前者の用途としてしか使えない点や他サポと併用できない点も考えると、竿に戻すことも検討すべきかもしれない。

 

ロストの優先度

このデッキ特有の注意点としてリソース管理、つまりロスト送りにするカードの選択があります。加えてこの判断基準にもなることから、サイド落ちの確認はしっかり目にやってください。基本的に注意しておくべきは山のポケモン基本エネルギーです。
以下になんとなくの優先度を書いておきます。

・中盤以降腐るカードなので積極的に送って大丈夫

キュワワー、くいだめ、キャプチャーエネ、回収ネット、あなぬけのヒモ

・使わない試合は積極的に送る

マナフィ、ヒスイヘビボ、ベルト

・できれば山に残したいが、他を切るよりはマシ

クイックボール、レベルボール、アクロマの実験

・二枚は残しておきたい

基本エネルギー二色、竿+クララ

・一枚残しておければ最悪大丈夫

ウッウ、ヤミラミチルタリス上下、ミラージュゲート、ボス

・切ると厳しいことが多い

どっすんグースカ、ヤレユータン、風船、トレーニングコート

・切るな

ツツジ、使う対面のマナフィベルトホーンスイーパー

・死

かがやくリザードン

 

長所

・色相性による不利がない

低耐久でサイド一枚のポケモンしか採用されておらず、非エク対面以外「一発耐える」ことを目指していないため、弱点マッチで不利を背負うことがありません。バレット形式であることや、殴り出しの早さから、対応力も比較的高いと言えます。

・ダメージレースで勝ちやすい

0エネ110のウッウ、1エネ250のリザードンコスパ最強格のアタッカーを軸にしていることに加え、ヤミラミの存在によってダメージ効率がさらに上がっているので非エクの中でも際立って殴り合いに強いです。殴り出しが環境最速レベルで早いのもポイント。

ツツジの捲り性能が他デッキと比較して高め

ツツジの前ターンにボスを打ちながらシステムポケモンを処理する必要がないことと、ヤミラミの技が縛り向きであることが相まって、劣勢の状態からでもワンチャンが生まれやすいです。ただしかがやくゲッコウガの処理はもたつくので、それしかないなあと思った際はトレコをなるべく出さないようにプレイしましょう。

・ロスト軸ギラティナVstarにやや強い

序盤の殴り合いは五分ですが、相手の非エクが枯れた後ヤミラミ+ツツジを通せば、相手はミラージュゲートや竿を素引きしない限り殴ることができなくなります。こちらはリザードンでエネのついているポケモンを処理していくことで盤面ロックが継続できるので、ちゃんと回れば有利です。水軸相手にマナフィを保持できないと手裏剣で捲られかねないのでそこは注意しましょう。

パルキア裏工作にまあまあ強い

アタッカーが全体的に裏工作ラインとVstarをメタっているので、環境最強のパルキアに対しまあまあやれます。とはいえ先2でアクアバレットを打たれたり、ゲコを通されたり、雪道ツツジでリザを止められたりするとかなりしんどいです。正直五分ちょいくらい。

 

短所

・花選びの下振れがやばい

ロスト軸は大体そうですが、ピン挿しの多いこのデッキは際立ってきついことがあります。一応緩和策は入れているとはいえ究極の二択を押し付けられることもまあまああります。せめて盤面に出す前にヤレユータンが飛ばないように祈りましょう。

・かがやくゲッコウガが結局きつい

ヤミラミウッウで処理しにくい上にマナフィを取られると常に二枚取りがちらつきます。ツツジロックを通そうとする際もドロソとしてまあまあ邪魔。ついでにゲコを採用してるデッキは大体が復帰手段入りなのもムカつく。

・序盤中盤のマリィがきつい

ヤレチルで多少誤魔化してはいますが、そもそもアクロマ花選びというシステムは手札を溜めるムーブは得意ですが細い手札から復旧するムーブには向いていません。そのための食いだめではあるんですが相手にボスを打つ余裕が生まれる中盤の食いだめはかなり弱いです。マリィ後のターンはとりあえずウッウ用意して殴るくらいの動きになってしまいがち。勿論チルが立っていない場合言わずもがな。

・Vmax、お守りVstarがきつい

ボスを任意に打つこと自体は可能なのですがウッウの110と合わせて300↑をツーパンで倒すのに十分な打点が出る(=リザを起動できる)ターンがかなり終盤なので、Vmax二体の押し付けを食らうことが結構あります。ヤミラミで多少緩和できますが、他に効率よくサイドを稼げるポケモンが出てこない相手だとかなり厳しめ。

・回復がきつい

ここまででもう結構漏れてたけどアルセのチェレンがまじできついです。カビゴンの起動ターンが最速でも後手3くらいなので、このへん相手には後手1からおとぼけスピットを決めるくらいの上振れがないと無理やなあと思うことが多いです。キュレムのモミはもうお祈りレベル。

・てかアルセウスがきつい

キツイ!!!!!!!!